電子処方箋を導入するデメリットはある?【結論: デメリットよりメリットが多い】
ここ数年、医療現場で注目を集めている「電子処方箋」。
患者様の利便性が高まり、医療機関同士の連携もスムーズになると期待されています。
近年では政府も医療のデジタル化を積極的に推進しており、電子カルテやオンライン診療に続き、電子処方箋もその重要な一部として注目されています。
この流れによって診療現場の効率化だけでなく、患者様の安全性向上や医療過誤の防止も大きく期待されています。
しかし新しい仕組みを導入するとなると「手間がかかるのでは?」「本当に必要なの?」と不安を感じる医院やクリニックの方も多いのではないでしょうか。
この記事では「電子処方箋のメリットやデメリット」について、分かりやすくお伝えします。
現在電子処方箋の導入をお考えの方は、ぜひポップ・クリエイションにご相談ください。
電子処方箋を導入するデメリットはある?
電子処方箋というと便利で効率的なイメージが先行しがちですが、実は導入にあたって注意すべきポイントもいくつかあります。
特にまだ導入を迷っている医院やクリニックにとって、どんなデメリットがあるのかを把握することは重要です。
電子処方箋ってそもそも何?
まず電子処方箋がどういうものなのか簡単に説明しておきます。
電子処方箋とは、これまで紙で管理していた処方内容をデジタルデータとして記録・共有する仕組みです。
患者様が医療機関で処方された薬の情報を電子的に管理し、薬局とリアルタイムで共有することで紙の処方箋を持ち歩く必要がなくなります。
それでは具体的なデメリットについて見ていきましょう。
電子処方箋を導入する3つのデメリット
電子処方箋には便利な面が多い一方で、導入に際して考慮すべきデメリットもいくつかあります。
ここでは特に気をつけたい3つのポイントについて詳しく見ていきましょう。
クリニックと薬局が両方対応していないと運用できない
電子処方箋の仕組みは、クリニックと薬局の両方が対応して初めて成り立ちます。
例えば医院側が電子処方箋に対応していても、患者様が処方箋を持って行く薬局が非対応であれば、結局紙の処方箋に戻さざるを得ないこともあります。
特に地方では、小規模な薬局では電子化が進んでいないケースが少なくありません。
都市部でも電子処方箋対応薬局がまだ十分に普及していない地域があるため、地域全体での対応状況を見極めることが重要です。
導入を検討する際には、地域の薬局がどれだけ対応しているかを事前に調査することが必要不可欠です。
患者様への説明が必要になる
新しい仕組みを導入する際に避けられないのが、患者様への説明です。
「紙の処方箋がないと不安」「どうやって薬を受け取るの?」といった疑問に丁寧に答え、電子処方箋の利便性や使い方をしっかり理解してもらう必要があります。
特に高齢の患者様やデジタル機器に慣れていない方にとっては、新しい仕組みがハードルに感じられることがあります。
このような場合は説明用のパンフレットや動画を活用することで、不安を軽減する工夫が効果的です。
スタッフ全員が一貫した説明を行えるよう、導入前に十分な準備やトレーニングを行うことも大切です。
マイナ保険証を持っていない患者様への対応
電子処方箋を利用するためには、患者様がマイナンバーカードを使った「マイナ保険証」を取得している必要があります。
しかしまだマイナ保険証を作成していない患者様や、その手続きに抵抗を感じている方もいます。
こうした場合、紙の処方箋との併用が必要になるケースもあり、完全な電子化までには時間がかかるかもしれません。
ただマイナ保険証の利用率は徐々に上がっているため、長期的にはこの課題も解消されていくことが期待されています。
関連記事: 電子処方箋の義務化はいつから?クリニック・薬局に導入される3つの理由を解説!
電子処方箋を導入する5つのメリット
電子処方箋にはデメリットもありますが、それを上回る多くのメリットがあります。
ここでは導入することで得られる具体的な5つのメリットをご紹介します。
重複投薬を防げる
電子処方箋の大きなメリットの1つは、患者様の処方情報が一元管理されることです。
これによって同じ薬が複数回処方される「重複投薬」を防ぐことができます。
例えば高齢者の患者様の場合、複数の医療機関を受診することが一般的です。
それぞれの医療機関が紙の処方箋を発行していた場合、重複して同じ薬を処方してしまうリスクがありました。
しかし電子処方箋を利用することで、過去の処方情報が一目で分かり、こうした問題を未然に防ぐことができます。
結果として患者様の体への負担が軽減され、安全性が向上します。
患者様が自分の医療情報を確認できる
電子処方箋を導入すると、患者様自身が処方内容をデジタルで確認できるようになります。
これにより自分がどの薬を処方されたのかを簡単に把握できるため、自己管理がしやすくなります。
また病歴や薬歴を記録として残すことができ、将来的な治療や診断の際にも役立つでしょう。
医療の透明性が高まり、患者様の信頼感が向上する点も見逃せません。
医療機関同士の連携がスムーズになる
電子処方箋のもう一つの強みは、医療機関間の連携がよりスムーズになることです。
患者様が紹介状を持って別の医療機関を受診した場合でも、処方情報を迅速に共有できるため、診療の重複や情報不足によるトラブルが減少します。
緊急時に患者様が別の病院を受診する必要が生じた場合でも、電子処方箋があれば過去の処方履歴がすぐに確認できます。
特に専門医との連携が求められるケースでは、こうしたデジタル化が治療の質を高める大きな助けとなります。
データ入力が簡素化される
紙の処方箋では手書きや手入力が必要ですが、電子処方箋ならデータ入力が大幅に簡素化されます。
これによってスタッフの作業負担が軽減され、業務の効率化が期待できます。
特に多忙な診療現場では、こうした効率化は大きな助けとなるでしょう。
データが自動的に記録されるため、入力ミスのリスクも低くなります。
医療過誤を防止できる
電子処方箋では薬の処方内容をシステムがチェックするため、人為的なミスが減少します。
例えば患者様のアレルギー情報や服用中の薬に基づいて、適切な薬を処方するサポートをしてくれるため、医療過誤の発生を防ぐことができます。
特に複数の薬を処方されている患者様の場合、飲み合わせによる副作用のリスクを減らすことができます。
またこのシステムは医療従事者の負担を軽減するだけでなく、患者様の安全性を向上させ、医療機関としての信頼性向上にもつながります。
関連記事: 【薬局の開業で失敗したくない】失敗する3つの原因と開業前に準備すべきこと!
【まとめ】電子処方箋の導入は、デメリットよりメリットの方が多い!
ここまで「電子処方箋のデメリットとメリット」について詳しくお伝えしました。
確かに導入にはいくつかの課題がありますが、それを補って余りあるメリットがあることがご理解いただけたのではないでしょうか。
特に重複投薬の防止や患者様自身が医療情報を確認できる利便性は、これからの医療に欠かせない要素です。
医療機関同士の連携強化や業務効率化は、医院やクリニックの運営においても大きな助けとなるでしょう。
そして何より医療過誤の防止という観点では、患者様の安全性向上に直結する非常に重要な役割を果たします。
デメリットとして挙げられた「薬局との連携」や「患者様への説明」は、導入前の準備や工夫次第で十分に対応可能な部分です。
電子処方箋はまさに「これからの医療」に必要な仕組みと言えます。
現在電子処方箋の導入を検討されている方は、ポップ・クリエイションまでお気軽にお問い合わせください。